トライアスロンの計測においては、アンクルバンド(足首ベルト)に計測
チップが入っています。
選手はスタート前にアンクルバンドを足首に装着します。
トライアスロンは厳密に言えば、5つのパート(セクション)からレースが
構成されています。
(1)スイム
(2)トランジッション1(スイムからバイクへ)
(3)バイク
(4)トランジッション2(バイクからランへ)
(5)ラン
この5つのパート(セクション)を連続してこなした結果の、最終タイム
(合計タイム)で順位を競います。そして、理想的には上記の(1)~(5)
の各区間タイムも計測することが望ましいとされていますが、通常のトライ
アスロンでは下記の3地点を計測します。
(A)スイムフィニッシュ(=スイムタイム)
(B)ランスタート(このタイムから(A)を引いたものがバイクタイム)
(C)ランフィニッシュ(最終タイム。このタイムから(B)を引いたものが
ランタイム)
この方法だと、トランジッション1とトランジッション2の所要時間は全て
バイクタイムに含まれることになります。
トライアスロン計測のポイントの1つは、少なくとも3地点の計測をおこなう
ことです。
これはマラソン大会と比べると、マラソンの場合、フィニッシュ1地点だけで
済むのに対してトライアスロン計測ではその3倍の機材とスタッフが必要と
いうことになります。
そして次のポイントは、上記3ヶ所の計測地点は通常かなり近いエリア
(300~400m以内程度)に密集しているということです。これは大会運営上、
仕方ないことですが計測をする上では注意が必要です。なぜならば、選手は
トライアスロンのレース中に同じエリア内を何度も行き来します。
特にトランジッションエリア周辺ですね。この際、本来必要な計測のタイ
ミング以外の時に、計測用アンテナマットに近づいてチップが反応してしまう
ことがあるからです。もし意図しないタイミングでチップが反応してしまうと、
計測に大きな支障を来たします。
したがって、計測用アンテナマットの周辺レイアウトには特に注意が必要です。
必要な時だけ選手がそこを通過し、必要でない時には決して近づかないような
レイアウト。もしそれが無理ならば反対に、近づきそうなタイミングはあえて
全てマット上を通過させるようにします。
そうすれば、たとえばレース中に3回マットを通過するというレイアウトが
あったとして、そのうちの3回目の通過が必要なデータというように切り分ける
ことができるからです。
「レース中に狭いエリア内を何度も行き来するのが
トライアスロン。したがって、計測する際は
そのレイアウトに最大の注意が必要」
というのがトライアスロン計測の大きなポイントです。
この話題は来月に続きます。