1.システム黎明期(バーコード方式) | 1980年代~1995年頃 |
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1980年代のタイム計測(記録計測)方式といえば「バーコード方式」が主流でした。これは選手の皆さんが身に付けるゼッケン(ナンバーカード)にバーコードを印刷し、それを利用したものでした。 具体的には、ゴール地点で押されたストップウォッチのタイムと、選手のゼッケン(ナンバーカード)のバーコードを読み取ったデータ(ゼッケン番号)を結合させてタイムと順位を集計するというシステムでした。 この方式は人海戦術と呼べるような大勢のスタッフの人手を必要としました。
2.システム確立期(ICチップ方式) | 1996年頃〜現在 |
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1996年頃からタイム計測(記録計測)システムには革命が起こりました。オランダのチャンピオンチップ社が開発したチャンピオンチップです。ここから時代は ICチップ方式へと一気に変化していきました。 ICチップ方式では、選手1人1人に1つずつのICチップを装着してもらいます。大きく分けると、シューズに装着するタイプと、ゼッケン(ナンバーカード)に装着するタイプの2種類があります。 そしてゴール地点にはICチップを感知するためのアンテナ(センサー)が設置され、 ICチップを装着した選手が通過すると瞬時にデータが取り込まれるという仕組みです。これにより、以前のバーコード方式で必要とされていた大量のスタッフの仕事は全てICチップが代わりにおこなってくれるようになりました。 正確で迅速。 ICチップの登場はこれまでのバーコード方式に比べるとまさに革命的でした。 IT革命といって良いでしょう。 以後、現在に至るまでICチップ方式によるタイム計測(記録計測)システムが続いていますが、ICチップ方式には大きく分けて2種類があります。
3.ICチップには2種類ある | アクティブタグとパッシブタグ |
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ひとくちにICチップと言っても大きくは2種類に分けられます。それは電池を持つか持たないかの違いです。電池を持つものをアクティブタグ、電池を持たないものをパッシブタグと言います。大きな特徴の違いをまとめると以下のようになります。
アクティブタグ | パッシブタグ | |
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電池 | あり | なし |
通信距離 | 長い | 短い |
コスト | パッシブよりは高い | 比較的安い |
装着方法 | ゼッケン 。駅伝ではタスキでも可 | シューズ |
周波数帯 | 超短波(VHF)、極超短波(UHF) | 長波(LF)、短波(HF) |
弊社取扱商品名 | RTタグ (日本陸連公認) | RCチップ (日本陸連公認)※2012年11月末にて取扱中止 |
製造メーカー名 | Micro Talk Systems(日本) | Champion Chip(オランダ) |
画像(500円玉と対比) |
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駅伝計測ではRTタグ をタスキの中に入れる ことも可能です。 |
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マラソン計測においては、ゼッケンに装着するICチップがアクティブタグ(電池あり)で、シューズに装着するICチップがパッシブタグ(電池なし)と区分できます。 なぜこのような2種類のICチップに分かれて発展してきたかというのは、色々な要因が挙げられますが、そもそも世界初の高性能な計測チップであるチャンピオンチップは電池を持たないパッシブタグでした。しかしこのチャンピオンチップはシューズに装着するもので言わば「足での計測」。これは日本の陸上競技の本来のルールである「胴体(トルソー)での計測」ではなかったのです。そこでゼッケンにICチップを装着して、本来のルールである「胴体での計測」を実現させたのが、アクティブタグでした。なお現在は、日本の陸上競技のルールも、ロードレース(マラソンや駅伝)においてはシューズに付けるICチップも認められています。 弊社・計測工房では、もちろんどちらのタイプのICチップも運用することが出来ますが、それぞれのスポーツイベントの特性、予算、事情に応じて最適な計測方法をご提案させて頂きます。なお、弊社取扱いのICチップはいずれも日本陸上競技連盟の公認済みです。★重要なお知らせ★ 2012年11月末をもってチャンピオンチップ(RCチップ)の取り扱いは中止しました。