1.計測ディレクターとは
タイム計測(記録計測)においては「どのメーカーのチップを使用するか」がポイントだと考えられがちですが、それよりも「誰がタイム計測業を担当するか」のほうが重要です。
極端な話、タイム計測(記録計測)の仕事はチップの優劣やシステムの優劣で成否が決まるのではありません。それを運用する人間によって成否が決まるのです。
計測ディレクター」とは、スポーツイベントにおけるタイム計測業務を統括するプロフェッショナルです。

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事前の打ち合わせから、準備・手配・段取り、そして当日の計測システムと計測スタッフの導入に至るまで一貫して統括をおこないます。
計測ディレクターにとって、とりわけ求められる要素は「総合力」です。
技術や知識といった「エンジニア」の要素はもちろんのこと、渉外や調整といった「コーディネイター」の要素もあり、営業や提案といった「コンサルタント」の要素もあり、現場でスタッフを統括する「リーダー」でもあります。 これらを高いレベルでバランス良く持っていることが計測ディレクターには必要です。
計測工房では経験と実力に応じて計測ディレクターをレベル分けしています。
・計測ディレクター ・Aクラス計測ディレクター ・Sクラス計測ディレクター
Sクラスと認定されるには、最高難易度の案件
での実績と、10年のキャリアが必要です。

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2.なぜチップの性能や優劣ではなく、計測ディレクターによって成否が決まるか

なるほど、ICチップを1人1人の選手に装着してもらえば、あとは選手がアンテナセンサーを通過すれば自動的にタイムが計測されます。すばらしいシステム化のように思えます。
これでイベントの運営が完了するのであれば、そこには人間の能力が介在する余地はないでしょう。より優れたチップ、より安いチップが価値を持つでしょう。

しかし、実際の現場ではそうはいきません。

・ICチップを装着し忘れる選手。
・ICチップを走っている途中で紛失してしまう選手。
・自分のICチップと、他人のICチップを間違えて装着してしまう選手。(特に家族やチームメイトと一緒に参加している場合に起こりやすい)
・コースの途中で近道をしてゴールして、それが発覚して失格になる選手。
・申し込んだ本人が都合が悪くなったため、本人の代わりに他人が参加して、それが発覚して失格になる選手。
・スタートしたものの途中でリタイアしてしまい、そのままゴールに戻ってきてしまい、ゴールしていないのにICチップがセンサーに反応してしまった選手。


などなど、これはほんの氷山の一角ですが、様々なイレギュラーな事態が発生します。 もともと現場では計測ディレクターは非常に忙しく、システムのオペレーションや、スタッフへの指示、様々な相手に必要なデータを提出するなどしているところに加えて、各方面から次々と問い合わせや依頼が舞い込んできますが、さらにこのようなイレギュラーな処理を次々とこなさなければなりません。時にはシステムのトラブルが同時に発生していることもあるでしょう。
これらが総合的に評価されて、タイム計測(記録計測)の仕事になります。

つまり、ICチップの性能というものは、タイム計測の仕事のほんの1つのパーツに過ぎないのです。総合的に見た場合、どこがこの仕事の中枢かと言えば、それは間違いなく計測ディレクターその人なのです。

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「タイム計測業」というプロの職業として担うプロフェッショナル集団です。