さて、道路を使用するレースの計測において、時々見られるトラブルを ご紹介したいと思います。
題して、「あれ? 今の車は・・・」
マラソン大会などで、コース途中の道路上で計測をおこなうことがあります。 たとえば、フルマラソンで5km毎の途中地点計測などです。
もちろん道路上と言っても、通常はレース中は交通規制がかかっており、 車両は通行しません。関係車両を除いては・・・。
大会の関係車両にも色々ありますが、先導車、最後尾車、救護車、収容車、 スタッフ輸送車などなど。


さて、マラソン大会において、レース中に残念ながらリタイアをしてしまったり、 あるいは制限時間に引っかかってやむなくレース打ち切りになってしまう参加者 がいます。そういった参加者は収容車や救護車に乗せられて、大会会場まで 輸送されてくるケースが多々あります。
そのように、参加者を乗せた収容車や救護車がコース上のタイム計測地点を 走行していったとき・・・、 「ピピピ・・・!!」 と計測機が反応音を発することがあります。まず計測スタッフは驚くでしょう。 「あれ? 今の車は・・・」 参加者が誰も通過しておらず、車が1台通過しただけなのにどうして計測機が 反応するんだ・・・?
そう、実は車の中に収容された参加者が身に付けているタイム計測用のICチップ が反応したのです。 
チップは車の中にいても反応してしまうのです!


これは重要なポイントです。 本来はリタイアした参加者のデータが、誤って取得されてしまうことになります。 記録処理上の大きなトラブルの種となりかねません。
これを防止するには、リタイアした参加者のチップを密閉した金属の容器に入れる ことです。ホームセンターで売っている金属のバケツ缶のようなもので構いません。 密閉した金属の容器に入れてしまえば、それを積んだ車が計測地点を通過しても チップは反応しません。
長年この仕事を経験していても、意外と盲点になりがちなのが今回のトラブルです。 大会主催者との事前のすり合わせが必要なポイントなので要注意点です。

お問合せ・ご相談

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-5659-7481

計測工房はマラソン大会などのスポーツのタイム計測(記録計測)を、
「タイム計測業」というプロの職業として担うプロフェッショナル集団です。