ランニングイベントのレース形態の1つに「リレーマラソン」があります。 いわゆる「●時間耐久レース」のようなレースです。 決められた時間内に所定のコースを何周走れるかを競います。
今回のコラムではリレーマラソンで起こりがちな計測トラブルをご紹介します。
リレーマラソンでは駅伝と同じようにタスキを使用します。タスキの中に
タイム計測用のICチップが入っています。メンバー交代の際は、駅伝の時の
ようにタスキを繋いでいきます。
タスキがタイム計測用アンテナマットを通過するたびに「1周、2周、3周・・・」
とカウントされていきます。ここまでは誰でもご理解いただけると思います。
ところで、長時間のリレーマラソンになればなるほど、そして初心者ランナー
(ファンラン層=楽しく走ることを主眼とするランナー)のチームほど、
レースの途中で休憩をすることがあります。
(対比しますが、シリアスランナー(タイムを追及し、速く走ることを主眼と
するランナー)のチームではこういうことは起こりません・・・)
もちろんレース中に休憩を取ることは自由であり、その分、自分たちの周回数が
稼げなくなるだけのことです。
ですが、ここで問題が1つ。
休憩中にタスキを身に付けたまま、計測用アンテナマットに近づいてしまったら
どうなるでしょう?
当然、ICチップがアンテナに反応し、そこで1周したことになってしまいます。
休憩中に何度もその付近をウロウロしたらどうなるでしょう?
走っていないにも関わらず、「2周、3周、4周・・・」と周回数が加算されて
いってしまいます。こうなると記録集計はメチャクチャです。
実はこうしたトラブルを回避するための仕組はあります。計測システム上で、
「不自然に速すぎるラップタイムを検出してアラート(警告)を表示する」
もしくは「不自然に速すぎるラップタイムを無視する」といった仕組です。
こういう仕組がなければ、我々は正常に集計ができず困ってしまうでしょう。
それでも仕組には限界もあります。明らかに不自然なラップタイムであれば
上記のように排除すれば良いのですが、「ありえるラップタイム」の場合、
機械で判定することは不可能になります。この場合、手の施しようがあまり
ありません・・・。最後の手段としてはスタッフが目視で監視すること
ぐらいでしょうか。と言っても、同時に複数のチームが通過している時に、
その側を休憩中のチームが接近しても気付くことは至難の業ですが・・・。
まさに計測の死角ですね。リレーマラソンの場合、死角には要注意です。
「休憩中はご用心・・・」