今回のコラムのテーマは「忘れ物」です。
私たちの仕事は、現場において多種多様な機材を使います。
計測専用の特殊な機材から、パソコン・プリンタといった汎用品、
ゼッケンやタスキといったレース用の物品まで、さまざまです。
そこで機材の準備段階では必ず「機材チェックリスト」を作って、
忘れ物のないように準備します。
・・・が、やはり人間は時々ミスを犯します。忘れ物というチョンボが
起きないとは言い切れません。
忘れ物が起こった場合の対処法は大きくは3つあります。
(1)なしで何とかする
忘れ物をあきらめて、それなしで何とかできればベターです。品物によります。
(2)現地調達する
汎用品であれば現地調達できるでしょう。文具、工具、PC周辺機器など。
ホームセンターや家電量販店で買えるようなものに限ります。
(3)会社まで取りに戻る
現地調達できない品物の場合、取りに戻るしかありません。
現場が会社から近ければ良いのですが、遠い場合は・・・。
以下はいくつかの忘れ物実例集です。
●新幹線で取りに戻る
今から10年以上前、私が前勤務先の時代に、東北地方の某マラソン大会を
担当させていただきました。大会の前日に現地で設営作業をしていると、
計測専用の特殊な機材を忘れてきてしまったことに気付きました。
それはDOS/Vパソコンに接続する特殊な機材で、現地調達できるような
品物ではありません。しかもそれがないと業務が成り立たないほど重要な
アイテム。その時は、先輩の社員も現地に同行していただいていただので、
結局、先輩社員に新幹線に乗って東京の会社まで機材を取りに戻って
もらいました。新幹線往復の交通費数万円の痛い出費。痛恨の忘れ物でした。
●飛行機で取りに戻る
これも10年以上の前の出来事ですが、関西地方の某マラソン大会を担当して
いた先輩社員が、重要なアイテムを忘れてしまいました。その時、その先輩
社員は関西から東京まで飛行機で取りに戻り、そしてまた飛行機で関西に
戻っていきました。すごい・・・。
●忘れ物より宴会?
同じく10年以上の前の出来事。首都圏の某マラソン大会を担当していた先輩
社員が、これまた重要アイテムを忘れてしまいました。幸い、首都圏ということ
もあり会社までは車で1時間ちょっとの場所。会社まで取りに戻るのは難しく
ないと思われました。ところが大会前日の現地作業が終わったあと、その先輩
社員はすぐには会社に戻らず、他のスタッフと一緒に夕食に出かけました。
夕食と言ってももちろんお酒も飲むわけです。「会社に戻らないのか?」と
疑問に思いましたが、その先輩社員は翌朝、まだ夜も明けない早朝に一人で
会社に忘れ物を取りに戻っていました。前の晩は忘れ物を取りに戻ることよりも
スタッフとの夕食のほうが大事だったみたいです・・・。
●500kmの道のりを戻る
以前、私が北陸地方の某マラソン大会を担当させていただいた時のこと、機材
の輸送は外部の運送会社に委託していました。ところが大会前日に現地に付いて
みると、運送会社が運んできた機材の中に1つ足りないものがありました。
それはしかもゴールゲート!
もちろんそれがないとマラソン大会の格好がつきません。運送会社は北陸地方から
首都圏まで片道500㎞の道のりを戻り、翌朝(大会当日)ゴールゲートを持って
北陸地方まで戻ってきました。ご苦労様です・・・。
とまあ、この業界の中にはこのような忘れ物武勇伝はいくつもあります。
気を引き締めたいものです。