前回のコラムでは「計測のバックアップ方法」について書きました。
今回はその続きのお話です。

具体例で説明したいと思います。

とあるマラソン大会で、ICチップによる計測の結果と、それを
バックアップするためにスタッフが目視でゼッケン番号を書き込んだ
結果が違っているという事態が発生しました。

<チップによる結果>
1位 ゼッケン23
2位 ゼッケン108
3位 ゼッケン77
4位 ゼッケン334
5位 ゼッケン288
6位 ゼッケン5

<スタッフの目視による結果>
1位 ゼッケン23
2位 ゼッケン108
3位 ゼッケン77
4位 ゼッケン288
5位 ゼッケン5 
6位 ゼッケン120

チップで4位に入っているゼッケン334番がスタッフの目視には
存在しません。その分、チップでは5位のゼッケン288番が目視順位
では4位になって、以後も繰り上がっています。

このような場合、考えられる原因としては、
(A)スタッフが目視でゼッケン334番を見落とした。
(B)ゼッケン334のICチップが誤ってアンテナを通過してしまった。
  (ちょうど4位になるタイミングで)

のどちらかです。(A)だとチップ計測は正解ですので、そのままで
問題ないのですが、(B)の場合だとトラブルになります。ゼッケン334番
は本当はフィニッシュしていなかったのに、誤ってチップが反応して
しまっているのです(本当は不参加あるいは途中棄権なのに、誰かが
誤ってそのチップを通過させてしまったのです)。この場合は、速やかに
データ上から334番のタイムを削除しなければなりません。

この(A)か(B)かを判断するのに、バックアップとしてビデオ撮影
してある映像を見るわけです。映像を見れば一目瞭然。原因が分かるはず
です。ただ、何らかの理由によりビデオでの映像確認が困難だったと
すると、あとはゼッケン334番ご本人に直接確認する以外に術はありません。
と言っても数千人、時には数万人が参加しているマラソン会場でご本人を
探し出して(呼び出して)事情を確認することも至難の業だったりする
わけです。最終的には大会主催者様の判断に委ねられることになりますが。

「タイム計測はICチップが自動的にやってくれて、
その結果は常に正しい」わけではないことは
おわかりいただけると思います。人の手による
バックアップは欠かせませんし、バックアップ
による確認作業も一筋縄ではいかないことも
多々あるのです。










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