さて、まもなく今年も3月を迎えますが、3月に開催されていた
市民マラソン大会の中で非常に印象的な大会があります。
それが「永平寺参道マラソン」です。
今月のコラムは永平寺参道マラソンについて書きたいと思います。
福井県の吉田郡永平寺町にある曹洞宗の大本山・永平寺。
ここで数年前まで毎年3月に永平寺参道マラソンというマラソン
大会が開催されており、私は前勤務先時代にこの大会のタイム
計測の仕事を数回担当させていただきました。
なお、大変残念ながら市町村合併等の事情もあり、この永平寺
参道マラソンは中止となってしまいました。
この永平寺参道マラソンは非常に特徴ある大会で印象的でした。
以下、箇条書きにしてみます。
●スタート地点が永平寺の山門前である。ちなみにコースは、
前半がひたすら参道を下って行き、折り返すと来た道を戻る
のですが、つまり後半はひたすら上りというハードコース。
●永平寺の修行僧(雲水)がたくさん参加する。
→お坊さんがこれほど参加するマラソン大会は他では
見たことがなかったです。修行の一環という説も・・・。
ちなみにどんな格好で走っているかというと、
法衣(作務衣)のまま、足元だけスニーカーという感じ
でした。
●レース(距離)の名称が昔風である。
→20kmの部は「五里の部」
10kmの部は「二里二十町の部」
5kmの部は「一里十町の部」
3kmの部は「三十町の部」
2kmの部は「二十町の部」
(一里は4km、一町は100mです)
●優勝すると永平寺の高僧様の書いた直筆色紙(ありがたいもの)
がもらえる。
●会場では粕汁がふるまわれるが、その名称が「般若汁」。
(ここの名物)
などなど。ちなみに参加人数は最盛期で1,000人を超えていました。
どれをとっても普通の大会では味わえない雰囲気を醸し出して
います。日本全国の何百という市民マラソン大会を見てきましたが、
ここまで味のある大会は数少ないですし、とても印象に残ります。
この大会の良さを一言であらわすならば「純和風、いにしえの日本」
ということでしょうか。
かえすがえすも中止になってしまったのが惜しまれる大会です。
こういうコンセプト(純和風、いにしえの日本)の大会、どこかに
出来たらいいと思うのですけども・・・。