さて、市民マラソン大会をICチップでタイム計測する場合、ほとんどの大会では
フィニッシュした選手の皆さんにその場で完走証(記録証)と呼ばれる用紙を
発行するシステムが導入されています。

完走証(記録証)には各自の「氏名・種目名・順位・タイム」が印刷されており、
フィニッシュしたその場で自分のタイムと順位を知ることができる便利なサービス
です。

今でこそ当たり前のシステムですが、10年以上前のICチップシステム黎明期には、
ICチップ計測自体が完全に確立されていなかったこともあり、われわれ計測会社
にとっては結構高度な仕事でした。

さて、
この完走証(記録証)ですが、ここに印刷されている
順位はあくまでも速報順位という扱いです。
と言っても、特に問題がないかぎりその順位は
公式な順位になります。反対に、何か問題があると
その順位は後から変わってくる場合があります

たとえば・・・、

(1)完走証では28位と印刷されていたが、後日の正式結果では27位に繰り上がって
  いた。レースに不参加だった選手のICチップが誤ってレース中にアンテナに
  反応してしまい、フィニッシュ記録に入ってしまった。その記録を削除する前
  に完走証を受け取ったため。

(2)完走証では28位と印刷されていたが、後日の正式結果では29位に繰り下がって
  いた。上位でフィニッシュした選手の中にICチップを付けていなかった選手が
  おり、その選手のタイムが計測されなかった。しかし上位入賞者だったため、
  審判の判断で該当タイムを手入力することになり、その結果、順位が1つずつ
  繰り下がることになったため。

類似の事例はいくらでもあります。
今までも繰り返しコラムに書いてきたように、ICチップ計測は万能ではありません。
上記のようなイレギュラーな事態はいくらでも起こりえます。完走証(記録証)の
発行システムもICチップ計測に基づいているため、そこで印刷されている順位も、
100%万能なものとは言えないということですね。

最近はリアルタイムにウェブサイトに結果がアップされることも珍しくなく、
ペーパーレスの時代のような風潮もありますが、それでも走り終えた後にすぐ
「紙」という目に見える形で手渡される完走証(記録証)は、形が見えるだけに
嬉しいものであるのは変わりないと思います。

完走証発行.JPG












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