さて、私たちの商売道具であるタイム計測用のICチップですが、これは
それなりに高価なものでして、レースで使用した後は必ず参加者の方から
ご返却いただくようになっていいます。

ICチップ計測を使用する大会の場合、たいていはフィニッシュ地点に
チップ回収係が配置されており、フィニッシュした参加者の方からチップを
回収します。ですから、フィニッシュ後の選手の導線というのは大切でして、
きちんとチップ回収ができるようなレイアウトとスタッフ配置が必要です。
基本的に、フィニッシュ後のレイアウトとスタッフ配置さえきちんとされて
おれば、チップ回収はそれほど問題なく出来ます。


さて、大会が終了して会社に戻ってくると私たちは回収されたチップを
全て読み込みます。こうすると「回収されたチップのデータベース」が
出来上がります。これと「大会で実際に使用したチップのデータベース」
を比較すると、「回収できていないチップ(未回収チップ)」がわかります。

この未回収チップの比率は、諸説ありますが、
市民マラソン大会の場合、平均すると参加人数の
0.5%〜1%ぐらいと言われています。つまり、
1,000人の参加者がいた場合、5〜10個ぐらいが
未回収チップとなります


しかしながら、フィニッシュ地点できちんと回収しているのに、なぜこんな
に未回収チップが出てしまうのでしょうか?

おおよそ次のようなケースが考えられます。

(1)大会当日、選手受付を済ませて、その際にチップを受け取ったものの、
 その日は体調が悪かったりして、実際にはレースに出場しなかった場合。
 この場合、選手はチップを持ったまま自宅に帰ってしまうことになります。

(2)レースには出場したものの、あいにく途中でリタイアしてしまった場合。
 この場合、本来であれば大会会場まで戻ってきていただき、チップを返却
 していただきたいところですが、そのままチップを持ったまま自宅に帰って
 しまうケースがあります。

おもにこの2つのケースが多いと思いますが、レアケースとしては、

(3)レースの途中で何らかの理由によってチップを落としてしまった。

(4)きちんとフィニッシュしたものの、何らかの理由でチップ回収係のところで
 チップを返却しなかった。

といったケースもあり得ます。

また、さらに特殊な例として、大会前に各参加者の手元にチップを送付する
という大会もあります。この場合、大会に参加しない参加者は同封されている
チップ返却用の封筒で所定の返却先に送付していただくことになります。


ちなみに、未回収チップの該当者に対しては、通常は大会主催者のほうから
チップ返却をお願いする連絡が個別にあります。もし誤ってチップを自宅に
持ち帰ってしまっていた場合、所定の返却先まで送付していただくことに
なります。

たかがチップ回収、されどチップ回収という感じでしょうか。

なお、回収が不要な「使い捨てチップ」というのもすでに市場には出始めて
います。これは従来と比べて非常に安価になったチップが出現してきたことに
よって実現したわけですが、確かに回収にかかわる労力・オペレーションが
一切不要になるというのは1つのメリットではあります。

しかし、時代の流れは「エコ」、「リサイクル」という方向へ向かっており、
ファーストフードやチェーン店でも「割りばし」から「使い回しのはし」に
シフトしつつある今、使い捨てチップというのは時代に合っていないような
気もしますね。たとえ、使い捨てチップになったとしても、任意で回収して
リサイクルされるというのが1つの解答でしょうか・・・。





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