マラソン大会のタイム計測と言えば、今や「ICチップ」が常識と なっています。この方式は1996年頃から日本国内で広まってきた のですが、それ以前(1995年以前)は「バーコード」方式による 計測が主流でした。今回のコラムでは、このバーコード計測を 取り上げてみます。
バーコード計測を一言で説明すると、 「大勢の計測スタッフによる人海戦術」です。 ちなみに選手のゼッケンにバーコードが印刷されていて、それを 読み取ることからバーコード計測と呼ばれます。 次の図にまとめましたのでご覧いただければと思います。
とにかく、大勢の計測スタッフが必要でした。規模にもよりますが、
軽く10人や20人は必要となってきます。これがICチップ計測に変わる
とスタッフの人数はわずか数人で済むようになったわけです。
またバーコード計測は人的作業を多く伴うため、人為的ミス、人為的
トラブルの可能性がありました。ICチップはこれら人的トラブルも
減らしたと言えましょう。(もっとも、ICチップが万能ではないこと
も、繰り返しコラムで書いてきました)
たとえば回収したバーコードは、絶対にその順番を変えてはいけない
のですが、運搬する途中でバーコードの束を落としてしまって、
順番がバラバラに、という大惨事も・・・。
バーコード計測は日本の計測の歴史の一時代を確かに彩っていたのでした。