さて、マラソン大会にせよ、その他の競技にせよ、あらかじめレースのスタート時刻と
いうのは決まっています。今回のコラムは、スタート時刻がとても大事だというお話。

たとえば「びわ湖毎日マラソン」の場合、スタート時刻は「PM 12:30」です。
「横浜国際女子駅伝」の場合だと、スタート時刻は「PM 12:10」です。
これらいわゆるエリートレースは一発スタートと言いますか、その大会でレースは1つ
しかありませんのでスタートも1回しかありません。しかもこういった公認レースでは
スタートは間違いなく定刻遵守(オンタイム)です。


一方で、各地の市民マラソンになるとまるで様子が異なってきます。
たとえば長野県で開催されている「信州なかがわハーフマラソン」の場合、
 ハーフマラソン AM 9:30
 3kmレース AM 9:45
 5kmレース AM 9:50
という具合に、レースによってスタート時刻が異なります。たいていの市民マラソンの
場合、このようにレースの距離ごとにスタート時刻が分かれています。

さらにもっと非常に細かくスタート時刻が細分化されている大会もあります。
福島県で開催されている「東和ロードレース」の場合、
 2km親子の部  AM 8:45
 2km小学1年生 AM 9:00
 2km小学2年生 AM 9:05
 2km小学3年生 AM 9:20
 2km小学4年生 AM 9:35
 2km小学5年生 AM 9:50
 2km小学6年生 AM 10:05
 ハーフマラソン AM 10:20
 10kmレース   AM 10:30
 5kmレース男子 AM 10:40
 5kmレース女子 AM 10:45
これだけスタート時刻が細分化されていると、自分の参加するスタート時刻を間違え
ないようにしないといけませんね・・・。

さて、これらの市民マラソンの場合、スタート時刻が定刻遵守できずに、若干ずれて
しまうことがよくあります。色々な理由が考えられますが、たとえばスタート地点に
参加者が集合するのが遅れ気味でスタート時刻が押してしまったとか、あるいは
スターターの方がピストルを鳴らすタイミングがずれたという場合もあります。
定刻10時スタートのはずが、実際は「9時59分59秒」にスタートしてしまったり、
「10時0分2秒」とか、時には「10時2分47秒」とかにスタートしてしまったりするわけ
です。

私たちは、システム上で各レースのスタート時刻を設定しています。
これは「定刻でスタートする」という前提で設定されていますので、上記のように
スタート時刻がずれてしまった場合、速やかに(計測が始まるまでに)システム上の
設定を変更しなければなりません。

5kmレースを「16分30秒」で走った選手がいたとしましょう。定刻10時スタートであれば、
この選手がフィニッシュした時刻は「10時16分30秒」です。これは「10時00分00秒」に
スタートしたとして集計されているわけです。
しかし、スタート時刻が6秒遅れて「10時0分6秒」にピストルが鳴った場合だと、この
選手のフィニッシュ時刻は「10時16分36秒」になります。この時、システムのスタート
時刻の設定を直さないままでいると、本当は「10時0分6秒」にスタートしているのに、
「10時0分0秒」にスタートしたものとして集計されてしまい、タイムは「16分36秒」
として出力され、本来のタイムから6秒遅くなってしまいます。

というわけで、
スタート時刻の管理は非常に重要でして「何時何分何秒」
にスタートのピストルが鳴ったのかをきっちり把握しなけ
ればいけません。
これはタイム計測の仕事の1つの肝(きも)です。



話を戻しますが、エリートレースの場合はスタートは1回しかなくて、しかも定刻遵守です
から何も問題ないのですが、市民マラソンの場合、時には1つの大会に10回以上もの
スタート時刻が分かれており、さらに定刻からずれる可能性もありますので、とても
神経を使うわけです。
この部分だけを見ると、エリートレースよりも市民マラソンのほうが大変と言えますね。


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