とあるマラソン大会の結果一覧表。(※ゼッケン番号やタイムは架空です)

  順位  ゼッケン  氏名    都道府県  タイム
  145位  109   ●田 太郎 (東京都) 4時間45分09秒
  146位  240   ▲川 二郎 (神奈川県)4時間45分09秒
  147位  88    ■村 三郎 (山梨県) 4時間46分40秒  ・・(以下略)

一見すると、何の変哲もない結果一覧表の抜粋です。よーく見ると、145位の
選手と146位の選手が同タイムですが、こんなことはよくあることです。
同タイムでも順位差はつきます。
さて、私たちのタイム計測の仕事では不測の事態に備えて、必ずゴールシーンを
ビデオで撮影します。これは計測機材のトラブル時のバックアップ用という意味も
あります。

後日にそのビデオ映像を確認していると、おかしなことが発覚しました。
4時間45分09秒という上記の145位と146位のゴールタイムの時間の映像には、当然
ゼッケン109番と240番の二人の選手が同時に映っているはずです。しかし、実際には
映像にはゼッケン240番の選手一人だけしか映っていないのです。選手は一人しか
映っていない・・・。しかし、タイムは二人分ある・・・。計測チップのデータも
2件取得されている・・・。計測チップが2個通過していることは間違いない・・・。

ということは、そう、ゼッケン240番の選手が2個のチップを
持って走った!!!
 

のです。

どういうことかと言えば、ゼッケン109番と240番の二人は友人でした。一緒に参加する
はずでしたが、ゼッケン109番の選手が体調不良で参加できなくなってしまいました。
そこで、109番の選手は参加記念の賞品だけでも受け取ってきて欲しいと、240番の選手
に頼みました。240番は大会当日、自分の受付を済ませると、ゼッケン109番の分の受付
も代理で済ませて、参加賞を受け取りました。・・・ここまでは良かったのです。
ところが、あろうことか240番の選手は、自分の分の計測チップだけでなく、109番の
分の計測チップも身に付けてレースに参加したのです!

この件は、大会主催者からご本人に問い合わせて事実確認がなされ、ゼッケン109番の
記録は失格扱いで削除されることになりました。計測チップは正直ですが、こういう
事例が発生しても今回のように映像でたまたま見つけたりしないと、なかなか発覚しない
ものです。

基本的には参加選手のモラルやマナーに頼るしかないのでしょうけども、計測の仕事を
やっていると、このような事例にも度々遭遇するのです。












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